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euphonictechnologies’s diary

Haskell超初心者の日記です。OCamlが好きです。

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SMALL GAPS BETWEEN PRIMES

素数の新定理発見 極端な偏りなく分布 米英数学者「夢のような成果」 ― スポニチ Sponichi Annex 社会

スポニチの記事でこの発見を知ったのはどうかと思うが、興味深い。 どこが興味深いかというと、スポニチにテレンス・タオ教授が取り上げられていることだ。 テレンス・タオ教授はUCLAで研究をしている数学者。幅広い数学領域で業績を上げていて、フィールズ賞も獲得している天才の一人だ。

今回の発見はわかりやすい(あまり正確でない)言い方をすると、2つの素数の距離が600であるような素数の組が無限に存在する、というものだ。

は?それが?

と思うかもしれないが、この定理の究極系は「双子素数は無限に存在する」という数学上の未解決問題をとくことだ。いままで2つの素数の距離がXXXな2つの素数の組が無限に存在する、という問題について、XXXのところが「7000万」という証明があったのだけど、それがどんどん短くなっていって今回600個になったと。Polymathのグループがこの経緯をまとめている:

Timeline of prime gap bounds - Polymath1Wiki

今回の定理を証明したジョン・メイナード氏論文はこれ(タオ教授のは見つからなかった):

http://arxiv.org/pdf/1311.4600v2.pdf

この論文の1ページ目に見える次の数式がこの話題の中心だ。

{ \displaystyle
\liminf_n  (p_{n+1} - p_n)
}

pのn+1とnの間にはどのくらい距離があるの?をnを無限に飛ばしたらどこいくの?という話。 これが無限に発散せず、ある値が収束するのは証明済みだ。そしてそれが600を超えないのが今回の定理。なので素数の間隔に新定理の発表があったので、分からないなりに考えてみた(けど結局わからなかった)話 - 働き者ブログのように書かれているのとはちょっと違って、2つの素数の距離がある一定の距離以下になる、ということではない。

素数の世界

今回の定理の証明とかはどう考えても私の能力を超えるっていうかちょうど私も頑張って読み始めたところなのでぜひ原論文を当たってほしい。

素数の不思議な世界を手っ取り早く知るためにはタオ教授の次のスライドが良さそうだ:

Structure and randomness in the prime numbers

すごく雑にこのスライドの話題をさらってみると

  • まずは素数を確認するよ。素数は1とその数自身でしか割れない数字だよ。2より大きい偶数は絶対素数じゃないから素数はほとんど奇数だよ。
  • 大体の数は素数の有限個の積の形で表せるよ。つまり、あらゆる自然数は素因数分解できるよ。
  • 大事なことだよ。素数は無限に存在する!証明は高校でやったよね?でも一応見てみるよ。
  • 双子素数の話もするよ。双子素数が無限に存在するかどうかはギリシャ時代から言われてるんだけど、2000年たっても解けてないんだ!ふしぎ!
  • 素数の分布の話に移っていこう。素数は2,3,5,7,11,13,17,19,23...ってランダムだし「n個目の素数を導き出す方程式」とか無理っぽい。だけど近似値ならいけるっぽいって誰かが気づいた。
  • アダマールとド・ラ・ヴァレー・プーサンが独立に証明した素数定理がその近似値を与えるよ。n個目の素数p_nn \ln nと大体一緒。\ln n = eだよ(2.71828182845904...)。
  • この発見は素数研究の中でも超すごいことですごいことだよ。
  • 証明は難しいから外観だけ眺めてみよう。まずは素数の分布のグラフを音楽みたいにしてみよう。これを聞いてみると、この音の鳴ってるところにはパターンが有るってことが聞こえてくるはずだ。...ここから結構濁してあるけど、この部分は何が言いたいかというとNまでの素数の個数が\sum_k^N \frac{1} {1-p_k}で与えらるというところからテイラー展開とかを駆使してp_n = \frac{N}{\log N}というところを示すのだと思う。
  • この証明方法はさらに興味深いいろいろな定理を導くのにも使われていて、大きな素数はすべて、10進数で表した時に1,3,7,9を1の位に持つし、10進法以外でも似たようなことが言えたり、すべての大きい偶数は3つの素数の和として表せたりする。
  • スライドはゴールドバッハ予想、リーマン予想との関係についても発展していく。
  • リーマン予想、素数の話が出ると当然暗号の話も出る。Diffie-Hellman交換方式の話も出てくる。
  • さらに素数の篩の話も出てくる。エラトステネスの篩の話をしてモダンなアルゴリズムにも少し触れる。
  • 最後はタオ教授のすごい業績の一つ、グリーン・タオの定理の説明をしておしまい。リーマン予想、証明できるといいね的な終わり方になる。

すごく荒っぽくなぞってみた。特に最後の方は息切れしてるのがわかってもらえるだろうか。すみませんすみません。 この内容はNHKで、ポアンカレ予想のNHKスペシャルみたいなレベルものを作る土台になるほどよくまとまっていると思う。様々な分野に触れつつに最新研究へのリーチへも含まれている。

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タオ教授の本

私がタオ教授について知ったのは、次の本:

数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方

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この本は本当に面白くて、中に乗っている証明を何度も何度もなぞっている。演習問題みたいなのもあるんだけど、答えが載ってない。なので夏休みの終わりに答えを丸写しする小学生みたいな真似をすることなくどこまでも考えることができる。

参考文献

素数の分布に関する話題

Mathematicians Team Up on Twin Primes Conjecture | Simons Foundation

http://www.math.ucla.edu/~tao/preprints/Slides/austms.pdf

Polymath proposal: bounded gaps between primes | The polymath blog

http://yumemusou.web.fc2.com/prime.pdf

http://www.sciencenewsline.jp/articles/2013052109169000.html